専業主婦・扶養に入っている人は教育訓練給付金を使える?——受給できるケースとできないケースの分かれ目

現在は働いておらず配偶者の扶養に入っている専業主婦・主夫が教育訓練給付金を使えるかどうかは、過去の雇用保険加入歴によって決まる。受給できるパターン・できないパターンを条件別に整理して解説。

「今は専業主婦(主夫)で扶養に入っているけれど、資格を取って復職したい」という相談は多い。結論から言うと、教育訓練給付金は現在の就業状態や扶養に入っているかどうかではなく、過去の雇用保険加入歴によって受給できるかどうかが決まる制度だ。つまり同じ「専業主婦」という立場でも、受給できる人とできない人がはっきり分かれる。この記事では、その分かれ目を条件別に整理する。

受給できるかどうかを決めるのは「離職からの経過期間」と「加入期間」

教育訓練給付金は、雇用保険の一般被保険者(在職中)または一般被保険者であった者(離職者)が対象となる制度だ。専業主婦・主夫であっても、過去に会社員やパートとして働き雇用保険に加入していた期間があれば、以下の条件を満たすことで受給資格が残っている可能性がある。

  • 離職日から受講開始日までが原則1年以内であること:ただし出産・育児・病気療養などの理由で働けない期間があった場合は、その期間分を最大20年まで延長できる特例がある。専業主婦になった理由が出産・育児であれば、この延長特例に該当するケースが多い。
  • 一般教育訓練給付金なら通算3年以上(初回のみ1年以上)の雇用保険加入期間があること
  • 専門実践教育訓練給付金なら通算2年以上(初回は条件が異なる場合あり)の加入期間があること

つまり「結婚・出産を機に退職し、その後ずっと専業主婦をしていた」という人でも、退職前に一定期間会社員として雇用保険に加入していれば、育児等による受給期限の延長手続きを行うことで、何年も経ってから給付金を使える可能性がある。

受給できないケース

一方で、以下のようなケースでは教育訓練給付金の対象にならない。

  • 学生時代から一度も雇用保険に加入せず、そのまま結婚・専業主婦になった場合:雇用保険の加入実績自体がないため対象外となる。
  • パート・アルバイトの勤務日数・時間が少なく、そもそも雇用保険に加入していなかった場合:週20時間未満の勤務など、加入要件を満たしていなかった期間は加入期間として算入されない。
  • 離職後、延長手続きをしないまま1年以上が経過し、かつ育児等の延長特例にも該当しない場合:原則として受給資格が消滅してしまう。

自分の雇用保険加入歴がどうなっているか分からない場合は、離職時に発行された「雇用保険被保険者証」を確認するか、ハローワークで加入記録を照会してもらうのが確実だ。

延長手続きを忘れていた場合の対処法

出産・育児で専業主婦になり、延長手続きをしないまま数年が経過してしまった場合でも、諦める前にハローワークに相談することをおすすめする。延長手続き自体は本来、離職後30日を経過した日の翌日から1ヶ月以内に行う必要があるが、やむを得ない事情があった場合の取り扱いについて窓口で確認できるケースもある。また、仮に一般教育訓練給付金の受給資格が失われていたとしても、配偶者の扶養から外れて自ら新たに雇用保険に加入し直し、一定期間働くことで新たに受給資格を得るという選択肢も残されている。

まとめ

専業主婦・主夫だからといって教育訓練給付金を一律に諦める必要はない。過去の雇用保険加入歴、離職からの経過期間、育児等による延長特例の該当有無を確認することで、思っていたより早く復職に向けた学び直しを始められる可能性がある。まずは雇用保険被保険者証を確認するか、最寄りのハローワークに自分の加入記録と受給資格を相談してみることから始めたい。

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